ル・アーヴル〜印象派の画家と飛行機を気合いで飛ばす男のふるさと

先日、この本を読みました。

 

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美術史家であり、大原美術館の館長も務められた高階秀爾さんの著作です。

高階さんの本は多数ありますが、ルノワールゴッホなど、誰もが名前を聞いたことがあるであろう画家たちの人となりや生涯を一人ずつ紹介していく形式の本作は、その中でも比較的読みやすいんじゃないかと思います。

 

取り上げられている画家たちの中に、フランスのル・アーヴル出身の画家が二人いました。

 

一人はモネ、もう一人はデュフィ

印象派」の名前の由来となったと言われているモネの「印象・日の出」は、ル・アーヴルの港の風景を描いたものとして有名。

 

ですがル・アーヴルっていうと私はそれ以上にどうしても思い出してしまうものがあって、それが

 

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ふしぎの海のナディア」ってご存知ですかね。。。

1990年ごろにNHKで放送されてたアニメで、総監督はヱヴァンゲリヲンで有名な庵野さんです(私はむしろエヴァを見たことがない。。。)

 

ま~ナディアに関して語り出すと色々止まらないんで詳細はおくとして、

第一話、時は1889年(なんか最初のナレーションも毎回こんなだったような)、場所は万国博覧会が開催されているパリ。

サーカスのスター少女ナディアは、彼女の持つ不思議な石を狙う悪漢につけ狙われるが、彼女に一目惚れした発明好きの少年、ジャンが彼女を助け出す。

悪漢の企みによりサーカスから金で売られてしまったナディアは帰る場所もなく、路頭に迷うところ、ジャンが無邪気にも

「僕の故郷に行こうよ!」

って誘ったのが、ル・アーヴルなのでした。

(ジャンはパリで行われる飛行機コンテストに出場するため、叔父さんと一緒に上パリしてた)

 

 

ってくらいの知識しかなかったル・アーヴル、まずは位置を確認。

 

 

えっwwww

パリから遠いwwww

TVKでパリから2時間半距離は約190km…

ジャンはあたかも、せいぜい隣の県ぐらいの誘い方だったのに!やるな!第一話から!

あのぽんぽん船みたいなやつだと果たして何時間、いや、何日かかるのか!?

 

ル・アーヴルの基本情報をWikipediaでチェックっす。

 

1571年に建市(って表現、Wikiで使われてたけど正しい表現?)されたル・アーヴルは、古い呼称の一つは「ル・アーヴル・ド・グレース」、「アーヴル」は中期フランス語で「港」の意味。

 

第二次世界大戦中にドイツ軍に占領され、その弱体化を目的とした英軍による激しい爆撃により、中心市街は一時廃墟に。「ヨーロッパ都市の中で最大級の惨状を呈した都市のひとつ」となってしまったそうです。

 

1945年に、中心市街の再建が「鉄筋コンクリート巨匠」と呼ばれたオーギュスト・ペレに委託され、当時としては革新的なコンセプト「オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル」として世界文化遺産に登録されています。

 

 

 

セーヌ川を進んでル・アーヴルに近づいてきたところ。

ジャンがグランディス一派に追いつかれるあたりはこの辺でだろうか。。。

 

 

こちらは、見どころの一つであるサン・ジョセフ教会。オーギュスト・ペレ最後の作品でもあります。引きの絵で見ると、周囲の建物と比べてひときわ高い尖塔がランドマークとして引き立ちます。

 

 

実際に訪ねた方の内観の写真を見ると、ステンドグラスを通した光が温かみをもたらす不思議な空間。

なんか通ってた中高の聖堂を思い出す。。。(- -;キリスト教系の学校に通ってた

 

街を海岸方面に歩いてみましょう

 

 

あ”ーーーーいいですなー海海海

この風景が見えるテラス席でビール飲みたい(このセリフ、多分このブログで今後頻出する)

 

モネが「印象・日の出」を描いたホテルがあったとされるのは、この辺り

 

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アスファルトの道路を自動車が通り、海に大型船舶が浮かぶ光景は19世紀の「印象・日の出」とは大きく異なるように見えますが、絵画の遠景に描かれているのは工場の煙突や帆船。

モネがこの絵を描いた当時には、時代が「近代」へと突入していく最中の、全く新しい光景だったと言えるかもしれません。